窓口・渉外お役立ちコラム

純新規利用者獲得の推進ポイントと実践話法について解説します

2017.06.01

 純新規利用者の獲得方法としては、まずは「すでに何らかの関係構築ができている方」から、家族・親戚・知人等の関係者を紹介してもらうことが基本となりますが、ご紹介いただいた先にしても、自ら開拓した先にしても、その方へのヒアリングをもとに情報分析をして、ご提案していくことが大事です。推進のポイントと実践話法を見ていきましょう。

1.多くの方と会ってその面談を有効なものにしましょう

 もし、ご主人との取引があるとすれば、その奥様やお子様、ご両親、ご兄弟などを紹介してもらうのが純新規利用者の獲得につながりやすいといえます。その場合でも、お客様(紹介者)と担当者との関係が良好であればあるほど、信頼度が増します。日頃からお客様に良い印象を与え、理解に努め、何らかのメリットを与えている担当者であれば、お客様からご紹介いただく方へひと言お口添えをいただくだけでも、良い結果をもたらす可能性が高いといえます。
 一方で、会ったことがある程度のお客様や、取引はあるけれど初めて会うお客様では、ご家族や知人を紹介していただくほどの関係構築は築けないものです。
 ここで重要なのは、普段から多くの方と会い、その1回1回の面談を有効なものにする、という意識を強くもつことです。その方のことをよく知れば知るほど、お役に立てる商品やサービスは多々出てくるはずです。新規のお取引の見込みをリストアップして、次に述べる方法を実践してみましょう。

2.まずはアプローチ先の「実態把握」から

 金融営業で失敗する多くのケースは、アプローチ先に対し「今に至る経緯」「現在の状況」「今後どうしたいのか」ということを知るプロセスを端折って、単に自分の売りたい商品・サービスのセールスをしてしまうことにあります。皆さん自身に置き換えてみればわかることですが、こちらの都合も考えず、ただ商品・サービスを売り込まれたらどう感じますか。それ以降は会う必要はないと思うのではないでしょうか。
 こういった1回の面談を次に活かしていくためには、まずはアプローチ先の「実態把握」をすることです。
① 基本属性…出身・学歴・職歴・家族構成(家族・両親・兄弟等)・趣味など
② 資産・収入に関する情報…自宅を含む所有不動産・金融資産・その他資産・負債
③ 給振や年金に関する情報等

 これらの情報をきちんと入手できれば、次のような、ある目標に関する情報が見えてきます。
① 年金の指定替えを提案できる方や、新しく受給する可能性のある方、その時期
② お客様に関係する多くの方のライフイベントがわかるので、ローンを提案できる方やその時期。借換え提案できるローンの存在。
③ 給振指定替えのセールスができる方や、今後給振を受給する方の存在やその時期

 アプローチ先の基本属性をヒアリングして、たくさん話をしてもらった後に、自分が知りたい情報に話を向けていきましょう。

3.「給振」に関する話法例

 例えば、給振について知りたいなら、以下のような話法です。
担当者:「ところで山本様はA社にお勤めということですが、お給料はどちらの金融機関でお受け取りになっているのですか?」
アプローチ先:「B信金だよ。」
担当者:「B信金でお受け取りになっているのには何か特別な理由がおありですか?」
アプローチ先:「実家の近くにあった信金さんで、学生の頃から口座を使っていたので、入社後もそのまま給振口座に指定しているんだよ。」
担当者:「そうでしたか。では、公共料金やカードの引き落としなどもB信金さんでお支払いですか?」
アプローチ先:「そうだね。」
担当者:「B信金さんでは給与受け取りをしていることで、何か特典などはございますか?」
アプローチ先:「いや、特にないですね。」
担当者:「そうですか。実は現在給与振込口座をJAに指定していただくと、このような特典が受けられるのですよ。」「他のお客様で会社に確認していただいたところ、給与受取口座は自由に社員が指定してもよいし、2口座に分けても構わないということで、支払いに支障のない金額で今までの金融機関で受け取り、それ以外をJAにご指定いただくことで特典を受けられた方もいらっしゃいました。提携の金融機関やコンビニATMも多数ございますし、キャンペーン期間中に是非ご検討されてはいかがですか?」

 以下のような給振に関する情報をヒアリングします。
・受取金融機関・現口座の利便性・指定の理由や特典の有無・現給振口座からの支払状況。
・給振指定口座の自由度・2口座受け取りの可否など。
 情報をヒアリングしたら、指定替えセールスのポイントとなる項目を絞っていき、特典をアピールするとともに、指定替えできるケースがあることを訴えます。また、指定替えしても、「面倒がない、支障がない、利便性は変わらない」など、アプローチ先のご心配を解消できる点を用意しておくことです。