研修企画担当者(信共連携)研修
2021年11月24日(水)~26日(金)の3日間、信用事業・共済事業の県域職員を対象とした全国研修「研修企画担当者(信共連携)研修」をオンライン形式で開催しました。本研修は農林中央金庫と全国共済農業協同組合連合会が共同開発した研修で、今回初めて開催したものです。信共ペア参加での受講という形で9県から18名の参加がありました。
本研修のゴールは、研修の企画・立案、円滑な研修運営を行うための知識・ノウハウ等を学習したうえで、各県域の信共ペアでJAのニーズを踏まえた信共連携研修を設計するとともに、研修内容を効果的に受講者に伝える「講師」としてのインストラクションスキル(教示スキル)を実践的に習得することです。
初日は、各県域ペアでの自己紹介からスタートしました。今回の研修が初対面というペアも多く、まずはお互いを知ることで円滑に研修に入ることができました。最初に人材育成や研修設計の考え方を学んだうえで、確認テストを活用して基礎知識の習得を図りました。その後、研修設計のポイントを踏まえつつ、どのような信共連携研修であればJAのニーズに応えることができるのかを考えながらペアワークを進めました。ペア間でJAのニーズを確認するなかで、信用事業・共済事業に共通するテーマを見出し、目指すべき研修の方向性を固めることができました。
2日目の前半は、前日作成した研修案をグループで共有し、講師のアドバイスも受けながら完成度を高めていきました。受講者であるJAのニーズと研修内容を丁寧に合わせながら修正を行い、県域の実情に応じた効果的な信共連携研修の設計書を作成しました。後半は、研修インストラクションの基本スキルについて演習形式で習得を進めました。演習ではブレイクアウトセッション機能を活用しながら他県受講者のインストラクションを観察し、ポイントとなるスキルがしっかり発揮されているかを確認しました。
3日目は、信共連携研修に実際に講師として登壇することを想定し、模擬インストラクションを実施しました。研修で学んだことを意識しながらインストラクションを行うことで、講師としてのスキルが確実に向上しました。
オンライン研修でしたが、各県域からは同じ部屋でペア受講いただいたことから、県域での信共連携・相互理解を進めるよい契機にもなりました。また、事業・県域を跨いだ交流により、多くの刺激・気付きがあったと思います。受講者からは、「他の受講者のやる気を感じられて刺激になった」、「内容はハードだったが自分の成長につながった」、「今後目的意識を持ってJAの人材育成に取り組んでいきたい」、「信共連携研修実施の足掛かりとしたい」等の意見をいただきました。
農林中金アカデミーでは、「事業の垣根を越えた連携活性化」、「利用者目線の強化」を担う人材の育成についても前向きに取り組んでいます。県域での信共連携の取組み進展に向け、本研修を有効にご活用いただければ幸いです。
人材育成の考え方や研修設計の大切なポイントを学ぶ
講師のアドバイスを得ながら各県ペアで信共連携研修の設計を考える
模擬インストラクションを行う受講者
担当講師の声
㈱ソシオテック研究所
伊藤 禎洋 講師
本研修は、当社と農林中金・共済連で何度も議論を重ねながら開発・準備を進めてきました。信用事業・共済事業では扱っている商品・サービスは異なりますが、現場で求められる人材像には重なる部分があると思います。その求められる人材の育成を目的に置きながら研修デザインを行うことで、県域の実情に応じた信共連携研修の設計ができるように工夫しました。
今回、オンライン形式での研修となりましたが、県域ペアは隣り合いながら受講いただいたのでコミュニケーションも十分確保でき、設計どおりに研修を進めることができました。また、インストラクションスキルの習得も含めて「業務に活かしたい」、「人材育成業務で信共連携にチャレンジしたい」など、皆さんの高い意識を感じました。
人材は組織の基盤であり、人材の育成は「強い組織」を作るために必要不可欠なものです。本研修もご活用いただきながら、全国で信共連携の裾野が広がっていくことを願っております。